中央可鍛工業について、中小企業診断士の視点から分析・評価を試みてみたいと思います。
※あくまでも主観的意見ですので、実際の投資は自己責任でお願いいたします。
基礎情報
業種:鉄鋼
特色:トヨタグループ向けが8割超の鋳造製品メーカー。トラックの比率高い。オフィス家具製造も
⇒トヨタ系の部品メーカーのようです。自動車業界の景気に左右される環境にあります。
株価:485円 ※2025/2/7終値
上場取引所:名証メインのみ
PBR:0.26倍(<0.5倍)※2025/2/7現在
PER:6.58倍(<10倍) ※2025/2/7現在
1株配当:12円(配当利回り:2.47%)
出典:中央可鍛工業(株)【5607】:株価・株式情報 – Yahoo!ファイナンス
分析・評価
上記基礎情報等を見ますと、弱小リーマンの評価は以下です。☆の5段階で評価していきます。
項目 | 値 | 評価 | コメント |
上場取引所 | 名証メイン | ★★☆☆☆ | 地方の取引所のみの上場のため、出来高も少なく(人気がなく)株価は上がりにくい傾向にあると考えられます。 |
PBR | 0.26倍 | ★★★★☆ | 名証メインで人気がない市場でPBRが低めに出ることはしょうがないところがありますが、0.26倍は純資産のほぼ4分の1の価値と評価されているということになりますので、人気のない市場ということを差し引いても割安なレベルにあると思います。 |
PER | 6.58倍 | ★★★★☆ | 2025/2/7の決算発表で最終利益予想が上方修正され、5期ぶり最高益更新ということで2017年12月に付けた高値722円を上回ってきてもよいのではないかと考えています。 |
配当利回り | 2.47% | ★★☆☆☆ | こちらは直近のEPS予想が84.04というこを踏まえ、1株配当が12円のままというのは、昨今の株主重視の経営をする企業が増える中、少し低い気がしています。 |
自己資本比率(※1) | 67.0% | ★★★★☆ | まあ健全なレベルにあると思います。 |
利益剰余金(※1) | 201億円 | ★★★★★ | 3か月前の有利子負債が25億円もいかないレベル(※2)ですので、財務状況は良好だと考えられます。 また、時価総額が2025/2/7終値時点で77.7億円というレベルで利益剰余金−有利子負債が時価総額の2倍以上ということも注目ポイントと考えています。 |
※1の出典:中央可鍛の2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)に記載の数字を参照。
※2の出典:2024年12月18日発売の東洋経済 会社四季報参照
トレンド
ここ5年は300円~500円の範囲で推移しています。
そして、期間を10年に広げてみても、この範囲を抜け出したのが2017年12月の高値722円を付けた月の前後ということになります。
現在の株価は2022年あたりの400円程度の水準から徐々に上がってきて、ようやく485円になっているといった状況です。
直近の業績発表は悪くはなかったので、2017年12月に付けた高値722円を目指して株価が推移していくとかなりパフォーマンスの良い銘柄に化ける可能性があると思います。
今後のストーリー
中央可鍛が発表した2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)を見ますと、直近3か月の営業利益率が全社挙げての原価低減活動などの結果「4.5%」になったということで、これは中央可鍛が2023年8月10日に発表した「中期計画2025」の2026年3月期の目標値「3.5%以上」を1年前倒しで達成している状況です。季節変動が多少あるかもしれませんが、目標に向けて順調に企業活動がされていると考えられます
一方、売上高は、2026年3月期の目標値「400億円以上」に対して、2025年3月期の直近会社予想は「360億円」とあとひとぶんばりといったところですね。
ただし、2024年12月18日発売の東洋経済 会社四季報によれば、「業容拡大の可能性へ三菱ふそうと日野自動車統合の行方注視。」とあります。
そして、最近ですが2025年1月に日野自動車が米国市場でのエンジンの排ガス認証不正について米当局と和解したというニュースが出ていて、いったん凍結していた統合話が進む可能性が高くなっています。
以上のことから、このまま営業利益率を維持しつつ、売上高が拡大していけば、大化けする可能性は十分にあると考えています。
ただし、本銘柄は出来高が非常に少ないですので、長期目線以外の方は触らないほうがいいと思います。
本銘柄について、何か動きがあったら再び取り上げたいと思います。
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